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ユング心理学入門(河合隼雄著)を熟読してみる

ユング心理学入門(河合隼雄著)を熟読してみる

日々職場や地域社会で人と接していると、いまだに自分の不器用さに辟易することがある。

それほど親しくない人と、無難な世間話をするのが特に苦手だ。

みな、天気や芸能ネタや社会情勢について、よくもスラスラと出てくるものだ。一方、僕はいまだに器用になれない。人付き合いのこつがなかなか掴めないでいる。

そこで以前から、僕は心理学の書籍を読むようにしていた。(そこに糸口があるかどうかは置いておくとして・・)

すると、心理学の世界には、表面的な処世術だけではなく、生きてゆくための知恵が詰まっていることに気づかされた。

 

結局心理学が全てだった

人間は何のために働くのか。何のために学ぶのか。何のために遊ぶのか。何のために愛し合うのか。何のために憎しみ合うのか。
答えがあるとすれば、それは、『自分なりの満足』のためだ。
一見避けたくなるようなことであっても、将来的な満足のために、今日の苦行を喜んで引き受けることができる。
たとえば仕事に関しては、昇級や昇進を目標にすることができる。
そうだとしても、『いくら給料を貰えば満足するのか』『どれだけ出世すれば満足するのか』という問題が出てくる。
そうだ。結局は主観的な満足の尺度によって、人は満たされもするし飢えもするということだ。
つまり、『幸福は、その人の主観で決まる』と言うことができる。
対人関係でも同じで、対話する相手をいかに満足させられるかが、コミュニケーションのポイントになってくる。
結局、社会生活においては、どれだけの価値や成果を築き上げたとしても、他人に満足を与えられなければ無為なのだ。そして、人間にとっての満足を追求するのが、心理学の役割のような気がする。

分析心理学

○○心理学という言葉は色々ある。きちんと学問として研究されているものもあれば、本当に心理学と呼べるかどうか、定かでないものもある。
そんな現状で心の働きについてきちんと学ぶなら、より個人の内面に迫る心理学に取り組みたい。そしてそれが、分析心理学というわけだ。

カール・グスタフ・ユング

分析心理学を確立したカール・グスタフ・ユングは、19世紀から20世紀のスイスで活躍した精神科医だ。
心理学の父と呼ばれるフロイトに師事し、多くを学んだ人物でもある。
やがてユングは独自の理論を追求し、分析心理学を確立した。
分析心理学=ユング心理学は臨床的であり、実際の目前の人間を救うためのものであり、形骸的な机上心理学とは一線を画すものだ。

幅の広いユング心理学

それにユング心理学は、民俗学や神話などの、科学が敬遠するプレモダン的な世界をも取り入れているため、哲学としても、人間科学としても通用する懐の深さがある。
そのため、心理学の領域のみならず、芸術家や文士や他分野の学者からも、ユング心理学は注目を受けている。

河合隼雄

日本でもっともユング心理学を知る人物のひとりが、河合隼雄氏だ。
彼は京都大学で心理学を学び、ユング研究所に留学し、ユング派分析家の資格を取得している。
その後は、京都大学教授、国際日本文化研究センター所長、文化庁長官、という錚々たる肩書きを持つに至った。

「<心理療法>コレクションⅠ ユング心理学入門」

河合隼雄氏が著したユング心理学の入門書だ。
僕自身、10年以上に渡ってユング関連の書籍を読んでいるが、その中でも大変読みやすく、十分な深さと広がりのある書籍だと思っている。
実のところ僕は、『赤の書』と呼ばれる、ユングが秘蔵していたとされる大書物を持っているのだが、残念ながらまだ、それを理解できるレベルには達していない。
そこで、ユング心理学入門を改めて熟読し、このブログで解説と紹介をしながら、僕自身の理解を深めていきたいと思っている。

「ユング心理学入門」の章立て

  • 序説 ユング心理学に学ぶ
  • 第一章 タイプ
  • 第二章 コンプレックス
  • 第三章 個人的無意識と普遍的無意識
  • 第四章 心像と象徴
  • 第五章 夢分析
  • 第六章 アニマ・アニムス
  • 第七章 自己
  • 読書案内
  • 解説 繰り返し立ち返るべき「古典」
  • 〈心理療法〉コレクション 刊行によせて
  • 索引
章立ては以上である。
さて、着実に読破していきたい。

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