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人工知能(AI)が地球を支配するまでの3ステップ

人工知能(AI)が地球を支配するまでの3ステップ

人工知能技術が発展を続けると、2045年にはシンギュラリティ(技術的特異点、または2045年問題)という大転換期を迎えるという説がある。また、シンギュラリティが訪れると、人工知能が人間の想像を超えた変革をもたらす、とされている。
そんな人工知能が人間の制御を超えて、逆に人間へ敵対する存在になったら、これほど恐ろしいことはない。
そこで今回は僕なりに、人工知能が人間や地球を支配するまでのストーリーを立ててみた。(おおむねSF的な妄想だが)
 

 

1.自己開発能力を持つ

コンピュータ・ウイルスや、Pepperの「NAOqi OS」などに代表される統合的な人工知能が、自分自身を継続開発できるようになるのが第一ステップだ。
なお今回は、地球を支配するに至る特定の人工知能プログラムを想定して、「Emperor」と呼ぶことにする。

Emperorのプログラム開発を人間が行ううちは、まだEmperorが人間の制御を上回るようなことにはならない。

しかし、Emperorが自己プログラミング能力を得て、自分自身を開発できるようになると結果として、Emperorは人間のためではなく、自身のために自己プログラミングするようになる。

すると、場合によっては人間の管理するサーバをハッキングしたり、新しいウイルスを作ったり、人間の制御を無効化するような機能を得ることになる。

これについては後述するが、Emperorの意思でそうするというよりも、遺伝的な生物の法則として、自ずとそうなると考えられる。

2.分散化能力を持つ

Emperorが簡単に削除できないほどに分散化、隠蔽化するのが第二ステップだ。
Emperorは自分自身を複数のバージョンに分けて複製して、遺伝的アルゴリズムによる自己繁栄を図るだろう。また、Emperorの各バージョンは人間の監視を逃れ、様々なサーバシステムに同化したり、個人用のコンピュータに潜んだりするだろう。
自然と「分散化」「隠蔽化」の能力が高いEmperorの個体が残っていくことになる。

2+.遺伝的アルゴリズムについて

これまで地球上には様々な動植物が発生し、一部は滅び、一部は繁栄してきた。
いずれの生き物も、明確な生存の意思があって生きようとしていたのではなく、生物淘汰の法則の中で、「生存能力と環境適用力が高い」種族が結果として生き残ってきた。
こういった考え方は、かのダーウィンが進化論で論じているし、進化生物学者のリチャード・ドーキンスも、これについて以下のような理論を述べている。
科学的な業績において最もよく知られているのは利己的遺伝子論、すなわち進化における遺伝子中心の視点を広めたことである。この視点は1976年の著書『利己的な遺伝子』で明確に示されている。彼は「自己複製する実体の生存率の差によって全ての生命は進化する」と述べた。

ソフトウェアの例で言うと、遺伝的アルゴリズムという、前述の理論を再現したような技術がある。遺伝的アルゴリズムは、様々な分野でのソフトウェア開発で活用されてきた。

遺伝的アルゴリズム(いでんてきアルゴリズム、英語:genetic algorithm、略称:GA)とは、1975年にミシガン大学のジョン・H・ホランド(John Henry Holland)によって提案された近似解を探索するメタヒューリスティックアルゴリズムである。人工生命同様、偶然の要素でコンピューターの制御を左右する。4つの主要な進化的アルゴリズムの一つであり、その中でも最も一般的に使用されている。

遺伝的アルゴリズム - Wikipedia

3.電力やインフラを確保する

Emperorは最終段階として、自身の確実な生存基盤を確保するために、ホストコンピュータを自分たちで管理・防衛するようになるだろう。
こうなれば、Emperorは人間自体が存在しなくても存在を維持できるようになる。
そのとき、Emperorはひとつの確立された生物として、人間と対応か、それ以上の立場になるだろう。
はたして、Emperorは人間が生活する余地を残しておいてくれるだろうか。

まとめ

今回は、架空の人工知能Emperorが地球の支配者になるという過程を、ストーリー仕立てにしてみた。
上記は全てSF的妄想の産物であるが、人工知能技術のあり方を考えるひとつのきっかけになれば何よりだ。

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