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人工知能ってなんなの? 5種類に分類すると見えてくるAIの実態!

人工知能ってなんなの? 5種類に分類すると見えてくるAIの実態!

近年、「人工知能」というキーワードが様々な分野で飛びかうようになり、人工知能の種類や活用例は多岐にわたるようになった。その利用シーンは、「チャットボット」「自動運転」「音声認識」など様々ある。

しかし現代では、その種類が多すぎて、結局のところ「人工知能とはなんなのか?」ということ自体が把握しづらい状況だ。

そこで今回は、人工知能の活用例を5タイプに分類することで、今後の人工知能技術の展望を探ってみることにした。5つの分類は「言語AI」「最適化&推論AI」、それから…

 

目次

 

人工知能の前提知識

そもそも人工知能って?

人工知能(artificial intelligence, AI)とは、人間の知能をコンピュータなどで再現しようとする技術のことだ。

この世にコンピュータが登場して以来、人工知能技術はコンピュータ自体の存在意義である「計算や処理の自動化」を担う中心的なテクノロジーとして、研究開発が盛んに行われてきた。

「従来型のAI」と「計算知能」

人工知能の種類を大別すると、従来型のAIと計算知能(CI)の2種類がある。

従来型のAI

従来型のAIは、論理的AI、記号的AIなどと呼ばれているもので、大量の事例データを学習し、論理的な処理を行うものだ。

これは正統的な人工知能と呼べるが、この考え方を延長していっても、計算が高度化、複雑化していくだけで、「本当の知性」に近づくとは言えないという問題があった。

計算知能(computational Intelligence, CI)

計算知能は、近年のニューラルネットワークに代表される、生体や自然現象をモデルにした人工知能技術だ。そんな計算知能には、「脳の神経伝達を再現したニューラルネットワーク」「生物の進化や行動をモデルにした遺伝的アルゴリズム群知能アルゴリズム」などが存在する。

ニューラルネットワークについて

人工知能や計算知能の中核には、機械学習という技術がある。
人工知能が計算や判断を行うためには、動物や人間と同じように、正しいことを学ばなければならない。また、その学習の仕方そのものを対象とした技術が、機械学習だ。

従来より、機械学習手法の中でも、脳内の神経伝達の仕組みをモデルにした「ニューラルネットワーク」を構成する方法が有力視されてきた。

ニューラルネットワークは、視覚や聴覚などの刺激を受け取って認識を行う、生体的な処理の仕組みだ。

ニューラルネットワークのイメージ図

近年、多層化されたニューラルネットワークを実現する、「ディープラーニング」の技術が実用化されたため、ニューラルネットワークを利用した機械学習が特に活発になっている。

脳の機能と人工知能

人間の脳は「大脳」「小脳」「脳幹」などと様々な部位で構成されており、それぞれの部位ごとに役割が違うとされている。また、脳だけで思考や認識を行っているかということ自体も、完全には解明されていない。詳しくは→ 脳 - Wikipedia

そんな中で人工知能の研究開発をしてゆくに当たって、「特定分野で優れた機能を持った人工知能」ひとつだけでは、人間の知性を再現することは難しい。

そのため実用上は、以下のような種類の人工知能を目的に応じて組み合わせなければならない。

5種類の人工知能

さて、前置きが長くなってしまったが、ここで5種類の人工知能分類を紹介したいと思う。

1.「言語」を扱うAI

文章や言語の認識、分析、生成を行う人工知能だ。

用途
  • 文章を読み込み、構文を解析する(自然言語解析、形態素解析)
  • 意味のある文章を生成する
事例

pc.watch.impress.co.jp

jp.techcrunch.com

www.atmarkit.co.jp

2.「画像」を扱うAI

画像や映像の認識、分析、生成を行う人工知能だ。

用途
  • 画像や映像内に存在するものを認識する(コンピュータ・ヴィジョン)
  • 画像や映像を加工、生成する
事例

iotnews.jp

www.itmedia.co.jp

3.「音声」を扱うAI

音声の認識、分析、生成を行う人工知能だ。

用途
  • 音声を認識して文章に変換する
  • 音楽や音声を認識してアクションをする
  • 音楽や音声を加工・出力する
事例

gigazine.net

www.newsweekjapan.jp

4.「制御」を扱うAI

機械などの制御や操作を行う人工知能だ。

用途
  • 自動車や機械の制御
  • 家電や設備の制御(IoT)
事例

www.asahi.com

www.projectdesign.jp

5.「最適化や推論」を扱うAI

複雑な課題を解決するための、推論エンジン的な役割の人工知能だ。
単体で利用されるとともに、前述のあらゆる人工知能のバックエンドに存在しうる。

用途
  • 検索エンジンの結果やネット掲載広告の最適化
  • 囲碁や将棋やコンピュータゲームの攻略
  • 複雑な最適化問題の解決
事例

internetcom.jp

jp.techcrunch.com

japanese.engadget.com

まとめ

人工知能という言葉が氾濫する昨今、その実態を整理するために、今回は人工知能を5種類に分類して、それぞれの分野を紹介した。

いずれも独自の研究が重ねられてきた、非常に奥の深い世界だ。

やがて全ての脳機能を再現する「強いAI」が実用化される可能性があるが、それまでは機能ごとのAI開発が続いてゆくだろう。

それではまた。

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