648 blog

kyamanekoです。IT、思想、哲学、心理学などの記事を書いています。

個人情報漏洩させたらこうなった - あとがき

全60話で連載していた、
『個人情報漏洩させたらこうなった』
を無事に完結した。
そこで、あとがき的に、本作を振り返ってみたい。
 

www.kyamaneko.com

書くきっかけ

僕は、以前体験した「個人情報漏洩事故」の顛末をいつか記事にしたいと思っていた。
とはいえそんなものを正面から書いたら、契約上様々な問題が発生する。
固有名詞を伏せたところで、業種や背景や時期などで特定されてしまう。

そのため(当然といえば当然だが)事実を要素レベルに分解して、ひとつのフィクションとして作り上げてみた。

フィクションなのに「実録」などと書くのはケシカラン、とお叱りも頂いた。(ゴメン)

僕の気持ち的には、実録と言ってしまっていいレベルで、リアルな描写をしているつもりだが。

(現在「実録」の表記は削除した)

現実の事故としての「個人情報漏洩」

本作を読まれて、自分の身にも危機を感じる方がいたら、ぜひ対策など検討して頂きたい。
本作でもおりに触れて登場するが、

  • ソフトウェア面の対策(重過失を防止できる設計に)
  • インフラ面の対策(重過失を防止できる設計に)
  • プロジェクト進行面の対策(顧客に対してリスクの提示を十分に行えているか)
  • 契約面の対策(責任所在が明確にできる内容か)
  • 資金面の対策(緊急時の余裕を確保)
  • 損害保険加入などでの対策
  • 事故発生時の緊急体制整備

などについて、職場ごとに考えられることは多々ある。

本作の中では、前半ではサイバーアタックとクレームへの直接的対処が中心となる。その後、事故の責任所在を巡る流れになってくる。
前半後半それぞれのギミックや要点をピックアップしたいが、かなりネタバレになってしまいそうだ。

ぜひ本作の中で、藤野たちと一緒に体験してもらいたい。(という宣伝?)

キャラクターについて

まず矢口については、当初思っていたよりも動き回ってくれた。
主人公相当のキャラが食われるんじゃないかというくらい・・
結局、矢口は主人公格だったことに、書きながら気付かされた。

全体としては、「個人情報漏洩事故」というできごとを包括的に描いただけに、様々な人間を登場させることになった。
あれでも登場人物を絞ったつもりだったが・・

自分の知っている中でキャラが多い作品として考えられる、「三国志」「水滸伝」「グインサーガ」「テニスの王子様」(笑)などを参考に、書き分けを工夫した。

続編について

本作の末尾に、「第1部 完」と書かせてもらった。

今後の話としては、書きたいことが幾つかあるが、「サイバー犯罪そのものの抑止」「企業スパイや組織犯罪とサイバーテロ」などというテーマを考えている。
僕としても、せっかく出会えた登場人物たちに、もう少し活躍してもらいたいと思っている。

今後はもう少し、個々のキャラが際立つ舞台を用意できるようにしたい。
また、最後の佐川のシーンで、今後の話を想像される方がいるかも知れない。

小説の面白さについて

この記事で掘り下げる気はないが、僕の考えでは、「小説のおもしろさは、発生する事件よりも、事件を取り巻く人間たちの反応にある」と思っている。
そのポリシーで本作を書いた結果、核となる話の筋から外れた、人間ドラマが増えてしまった。(キャラが多く、それぞれを深く書けたとは言い切れないが)
もっと本筋に集中した方がいいとも思ったが、このあたりは迷いながらではある。

SEOについて

「ブログの記事として小説を連載する」ということについては、「なぜブログ媒体にしたか。なぜこのテーマにしたか」などを別の記事を書くつもりだ。

ひとまずPVの話でいくと、最終的には1投稿あたり300名くらいの読者さんが見てくれていた。(ありがとう!)

連載当初は1日1桁台のPVだったが、少しずつ増えていった。
googleでは、「個人情報漏洩」で検索すると、2~3ページ目くらいに表示される様子。上がっていくかも知れない。

ネットで小説を公開する以上、やはり「どれくらい読んでもらえるか」というのは気になることだ。

まとめ

こんな具合で、引き続き進めていくつもりだ。
小説以外の記事も書きつつ、調査や構想が固まったら、次の作品を発表していきたい。
今後とも、雑多な当ブログをご愛顧願いたい。




Amazon.co.jpアソシエイト